MFCがJISに記載されていない理由を考えてみた
マスフローメーター(MFM)やマスフローコントローラー(MFC:MFM&MFCを総称してマスフロー)は流量計の中でも質量流量計に分類されます。
上の図で各種流量計を分類してみました。
質量流量計と体積流量計の差は?もうご存知ですね。
質量流量とは流体が単位時間当たりに、ある地点を通過する流体の量を"質量"で表したもの
体積流量とは流体が単位時間当たりに、ある地点を通過する流体の量を"体積"で表したもの
では、その大元に当たる流量計とは何でしょうか?
流量計とは流量を計るものです。
そして流量とは、読んで字のごとく「流れの量」のことです。
気体・液体等の流体が単位時間当たりに、ある地点を通過する量のことです。
単純な流量を知る方法が発見されたのは、古代ローマ時代であり、今日までその基本は変わっていません。
なぜ、人類は流量を計ろうとしたか?と言いますと、それは2つの理由があります。
1つはそもそもローマ時代からの要求で、使った流量に応じた料金を徴収する、つまり料金を正確に算出する根拠とする為です。
そして2つ目は近年、工業用途でガスや液体が使われるようになってからの要求で、安定した歩留まりで生産する、つまり製造プロセスの再現性向上の為です。
JISの定義にある流量計は公の用途である1つ目に用いられるものが多いのが特長です。
水、油、石油等の国家の流量基準にトレーサブルな流量計で測ることが法で定められた流量計だからですね?
ところがマスフローはこの2つの内の後者、特定産業での製造プロセスの再現性向上の為に用いられています。
マスフローがJISではなく、MFCを大量に使用する半導体業界の基準であるSEMI Standardを拠り所にするのは、ある意味自然な成り行きなのでした。
MFC豆知識 EZ-Japan Deco