真・MFC千夜一夜物語第371話 ダウンサイジングこそ技術革新の証です その8
マスフローメーター(MFM)、マスフローコントローラー(MFC、MFMとMFCをマスフローと総称。) のダウンサイジングに関しての解説の最終章です。
MFCが出現して以来、そのダウンサイジングへの要求は絶えず、それに対する開発は色々と寄り道を強いられながらも、続いてきました。
その道は半導体製造装置向けというMFCのメインマーケットとそれ以外の一般産業用途では大きく異なる道に分岐しきました。
1990年代後半の熱式流量センサーのMEMS化が一つの大きな転換点でしたが、半導体プロセスで使用される腐食性ガスに対して、ヒーター、熱電対部を直接さらすMEMS方式はNGという判断が下されたのに対して、一般工業向け特に装置が小型でフットプリントへの要求が厳しい分析装置向けではブロンコストのIQ+FLOWといた今までのMFCの概念を打ち破るような製品が出現して、今に至っています。
【IQ+FLOW マニホルドタイプ 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】
MFCのメインマーケットであった半導体製造装置産業では、画期的なダウンサイジングに至るのは2020年代の圧力式流量検出方式を搭載した10mmMFCまで待つ必要がありました。
その間にブロンコストは更にこの小型MFC分野を追求し、サイズ的にはIQ+FLOWよりは大きいのですが、その分流量レンジや仕様圧力を拡大したFLEXI-FLOW Compactという新世代の流量センサーであるTCS(Trough Chip Sensor)Technology バイパスフローセンサーを搭載したモデルをこの春に発表しています。
【EL-FLOW vs FLEXI-FLOW Compact 出典:ブロンコスト・ジャパン(株)】
今後、MFCのダウンサイジングはどの方向へ行くのか?
Decoはもう一つの解として全量測定できる流量センサーであるコリオリ式流量センサーのMEMSタイプにも、その解があるのではないかと考えています。
従来のMEMS、ブロンコストの開発したチューブタイプのTCS Technology バイパスフローセンサー、半導体向けの圧力式流量センサー、これらの更なる進化の兆候が見られたら、その都度ブログで解説していきますね!
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan