真・MFC千夜一夜物語 第412話 マスフローに関する誤解 その3

2023年10月03日

Decoが見聞してきた中で、マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラー(MFC)の使用方法に関して、一般的に大きな誤解があるなぁと思ったものを取り上げてお話ししていきたいと思います。

2.MFCでランプ制御をしたい

ユーザーから「MFCでランプ制御(ランピング)をかけているのだが、SV(設定信号)通りに追従しない。どうしてか?」という質問もたまに来ます。
どれに対するDesoの回答は、これまたつれないのですが、「そもそもMFCでランプ制御をさせるのは難しいです。」となります。
身も蓋もありませんね。
これだけではご納得を頂けないと思うので、MFCでのランプ制御に関して解説しましょう。

そもそもランプ制御とは何でしょうか?
ランプ(Ramp)とは制御分野におけるランプ関数(ramp function)を用いた制御の事で、正規化線形関数とも言います。
ある時刻まで0であったもののが、それ以降は時間に比例していく関数のことです。

ランプ関数という名前は、グラフの形状がランプ(傾斜)になっていることが由来だそうです。
ランプ関数のように、ある時間以降、時間に対して比例関係で入力が増えるものをランプ入力、またこのような入力に対する応答をランプ応答と言います。

ちなみにランプ入力に対する言葉でステップ入力があります。
ステップ入力とは、ある時刻で高さ1の階段(ステップ)の入力を行います。
グラフの形は、ランプ関数のような傾斜ではなく階段状になります。
お馴染みのMFCで使用される応答はステップ応答です。

ランプ制御は、たとえば温度調節器において、ある一定の速度で徐々に温度を上げるときなどに使われます。
じわじわと温度を上げるように、流量も上げていきたいという要求はありますよね?
では、なぜこのランプ制御をMFCでやってもうまくいかないのでしょうか?
答えは次回に。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan