真・MFC千夜一夜物語 第414話 マスフローに関する誤解 その5

2023年10月17日

Decoが見聞してきた中で、マスフローメーター(MFM)マスフローコントローラー(MFC)の使用方法に関して、一般的に大きな誤解があるなぁと思ったものを取り上げてお話ししていきたいと思います。

MFCとAPC

MFC(Mass Flow Controller)APC(Automatic Pressure Controller)は似通った機能を持った製品です。図の各々の機器の構成を見ればMFCの流量センサーを圧力センサーに変えたものがAPCであるとわかりますね?

MFCが「流体の流量を測定し、予め設定された流量値になるように制御バルブで流量を制御する」のに対して、APCは「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御する」のなのです。
もう少し細かく解説すると、APCは「流体の圧力を測定し、予め設定された圧力値になるように制御バルブで流量を制御し、その制御した流量を送り込む、もしくは引き出す事で、結果として圧力を制御する」機器と言えます。

APCに搭載されているバルブはMFCと同じ流量制御用のものです。
バルブ開度を調整すること=バルブオリフィス部での圧力損失を可変することで、流量を増減して結果的に圧力を作り出します。
APCがセンシングするのはあくまで圧力なのですが、バルブが制御して生じるのはあくまで流量であるという点で、同じ圧力を調整する機器である調圧弁(レギュレーター)の弁構造とはかなり異なるのです。

この前提を踏まえて、「APCとMFCを直列に接続したら安定しないのはなぜか?」という問い合わせに対応してみましょう。

【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan