MFCに水が入ってしまった!

2024年01月16日

MFC豆知識です。
「ガス用のマスフローコントローラー(MFC)オートマチックプレッシャーコントローラー(APC)に水分が混入してしまった!どうしたらいいか?」という御質問をよく頂きます。
MFC千夜一夜物語でも解説を行っているのですが、豆知識でもその対応をお話ししましょう。

MFCとAPCの構造を図示してみました。
この2種は実は兄弟のような関係でして、センサーが流量を測る流量センサーなのがMFC.圧力を測る圧力センサーなのがAPCと考えてもらえばと思います。
この構造で水分が入った場合、バルブを全開にして上流から圧を上げた窒素のような不活性ガスでパージを試みて頂くのが、手っ取り早い方法です。

でも、そうもいかない場合があります。
それは両者の構造によるものです。
まずMFCの場合は・・・

流量センサーと流量制御バルブどちらもです。
MFCの流量センサーは内径1mm未満の細いセンサーチューブと、同じくらいの径チューブの集合体であるバイパスで構成されていますので、ここに水分が入ると簡単に抜く事が出来ません。
そして流量制御バルブも流量レンジによりますが、オリフィス部とその周辺の空間にが細くなっていて水分が貯まりやすくなります。

では、APCの場合は・・・

圧力センサーがダイヤフラムタイプの場合、非常にシンプルな流路になるのでまだいいのですが、やはり流量制御バルブ(APCのバルブはあくまで流量を制御して圧力を作り出すバルブでしたね?)はMFCと同様なのでやはり狭い流路があって水分が抜けません。
エタノールのような粘度の流体ならいいのですが、オイルやスラリーのように粘度の高い流体が入り込むとパージで抜くのは難しくなります。
その場合はメーカーのサービス窓口に相談いただいた方がいいですね。

その際はどういう異物が混入したかを正確に告知してください。
知らずに対応しようとしたメーカーのサービス担当が、危険な目に合わないように注意してあげていただきたいです。

MFC豆知識 by EZ-Japan Deco