真・MFC千夜一夜物語 第457話 質量流量を用いた最新アプリケーションは? その1
ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラ(以下MFC)を紹介しています。
振り返って質量流量を測るという事は、どういったメリットがあるでしょう?
具体的なアプリケーションでのメリットに関して今回は解説していきますね。
質量流量(マスフロー)が最も活躍しているのは、半導体製造装置だと思っている方は多いかと思います。
しかし、実はそうでもないのです。
確かに「微小流量を正確に測定する事の意義は、最新のプロセスの再現性を維持する為に大変重要である」と認識され、刻々と微細化多層化する流れの中で半導体製造装置では温度・圧力変動影響を受けにくい質量流量計である熱式MFCが重用されてきました。
しかし、半導体製造装置で重用されるMFCは熱式もしくは圧力式であり、ある条件で質量流量計に分類されるか、もしくは体積流量計だったりします。
なおかつ半導体プロセスで重要視されるのは絶対的な流量精度(Accuracy)ではなく、くり返し性(Repeatability)なので、必ずしも質量流量を測ることが絶対的な条件ではありません。
質量流量計であるコリオリ式流量計を用いたアプリケーションの最新事例は半導体とは異なる分野で大きな成功を収めました。
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
例えば医療、製薬分野がそれです。
画期的な薬を短時間で開発し、生産して、世界各国へ供給する事ができる用になった背景には、"コリオリ式マスフローによる質量流量測定と制御"というアプリケーションが存在しています。
出典:ブロンコスト・ジャパン(株)
そういった質量流量を正確に測ることで、新しい流体制御技術が産まれ、それが大ブレイクしている現状を今回はお話していきたいと思います。
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan