真・MFC千夜一夜物語 第472話 MFCを取り巻くデジタル通信環境 その3
本ブログでは質量流量計(熱式流量計、コリオリ式流量計)であり流量をアナログ信号やデジタル信号で出力するマスフローメーター(以下MFM)や、流量信号を基に流量制御を行うマスフローコントローラー(以下MFC)及びその応用技術での流体制御を紹介しています。
第470話からデジタル通信の現状に関して解説をしています。
ここで一度マスフローから一度離れます。
2024年段階での市場での産業用イーサーネットとフィールドバスの動向を見てみましょう。
このブログではお馴染みのHMSインダストリアルネットワークス(HMS Industrial Networks)さんの産業用ネットワーク市場シェアグラフを見てください。

出典:HMSインダストリアルネットワークス(HMS Industrial Networks)
2024年の産業用ネットワーク市場は7%の成長が見込まれ、産業用イーサーネットが7割を超え、フィールドバスは減少傾向です。
これで産業用イーサーネットとフィールドバスのシェアは大勢が決したように思えますね。
2020年段階では64:30であった産業用イーサーネットとフィールドバスの比率は、2024年で71:22まで開きました。
面白いのはワイヤレス通信が6→7%と微妙な伸びであることでしょうか?
コンシューマー向けと異なり、この分野で無線が認められていくのにはまだ時間がかかりそうですね。

出典:HMSインダストリアルネットワークス(HMS Industrial Networks)
さらに産業用イーサーネットとフィールドバスに絞った内訳をみていくとPROFINET が市場シェアの首位に立っており、EtherNet/IPが21%、3位にEtherCAT が 16% と続きます。EtherCATは首位のPROFINETを凌ぐ勢いでシェアを伸ばしている事に注目すべきでしょう。
これはあくまでトータルの数字です。
MFCに限るといまだ300mm世代の半導体製造装置では、このグラフでは3%しかないDeviceNetが用いられているのはご存じのとおりです。
ただ、このようにMFCを取り巻く産業用イーサーネットとフィールドバスの動向は、必ず次世代のMFC搭載通信規格として求められてきているということをご理解下さい。
参考記事:「産業用ネットワーク市場、拡大続く 2024年は7%の成長 HMSインダストリアルネットワークス、産業用ネットワーク市場シェア動向2024」 オートメーション新聞
【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan