アクチュエーターの性能の違いが、MFCの決定的差ではないということを教えてやる!【MFC豆知識】
2019年12月03日
MFC豆知識のコーナーです。
前回と違って、えらく長いタイトルですが、某ロボットアニメの赤い人のセリフ "モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを教えてやる"のパロディです。
よくこのMFCはピエゾだから応答が早いという話をされるお客様がおられますが・・・
間違いではないけど、正解でもありません。
確かに第1世代のサーマル(=熱膨張式)アクチュエーターと比較すれば早いでしょうが、そもそもMFCの応答性能はアクチュエーターの性能だけでは決まらないからです。
MFCとしての応答性能は下図のようなプロセスを経て、流量が制御されるまでの時間を表しています。
この中で圧倒的に遅いのは、実は初段の部分=センサーでの熱移動の感知です。
そもそも熱というものは、そんなに素早く移動しません。
熱式流量計というものは、数ある流量センサーの中でも鈍いセンサーなのです。
例えば歪を捉える圧力センサーと比べたら10倍は遅いでしょうね。
「あっ!だから圧力式MFCの方が応答が早いんですね!」
というご意見も、あまり当たっていません。
MFCの応答性、それはPVを出力する流量センサー、SV=PVとなるよう比較・判断・操作する調整計、調整計からのMVで動く流量制御バルブ(アクチュエーターを含む)、この3つが積み上げた結果の値なのです。
MFC千夜一夜物語 第301夜からのお話は、この辺りをお話ししてみましょうか?
このお話の終着駅にある結論は、いささかとんでもないものになりそうなのですが・・・
下手するとMFC不要論にもなりかねない、マスフローマイスターが廃業しなくてはならないような怖いお話かもです。
お楽しみに!
【MFC豆知識】 by Deco EZ-Japan