真・MFC千夜一夜物語 第311話 MFCのボディは何でできているの?その3

2020年05月05日

本来は5月の連休でEZ-Japan BLOGもお休みなのですが、今回は新型コロナウイルス(COVID-19)関連で、"ステイホーム"で自宅でPCから業務情報にアクセスされる方もおられるのではと思い、更新させていただく事にしました。
皆でこの困難な状況を乗り越えていきましょう!


・ハステロイC22

ハステロイ(HASTELLOY Haynes International, Inc®)は、ニッケルを主体とし、クロムやモリブデンなど様々な合金成分を添加することにより、耐食性および耐熱性を高めたニッケル合金です。
添加する成分の違いにより、ハステロイB、ハステロイC等の種類がありますが、半導体ではクロムやモリブデン等の含有量を増やしたハステロイC-22が使われることが多いですね。(下表)

これは高温下の機械的強度が高く、硫酸や硝酸、塩素などの酸化性雰囲気でも優れた耐久性を誇るという評価があるからです。
加工切削は大変難しく、非常に高価な材料ですが、溶接性は良好です。
その特性がメタルシールタイプ熱式センサーチューブのような部分的に高温となる部位の材料として選ばれる理由なのです。

上図にあるように80~100℃に達する巻線方式熱センサーの流路は、ハロゲン系ガスラインなどで腐食を起こしやすい部位です。
また、メタルシール構造にするには、メタルOリング or CリングをSUS316L材のボディとセンサーベースで挟み込む必要があります。
センサーチューブをそのままメタルシールにする訳にはいかないので、どうしてもセンサーチューブとセンサーベースを溶接しなくてはいけなくなります。
その際、ニッケル合金ハステロイC22を異材溶接するにはTIGなどの手法が必要になります。


【あなたにMFCの夜が来る~真・MFC千夜一夜物語】by Deco EZ-Japan