透明な液体を水だとは思うな!

2020年09月08日

はい、久しぶりのマスフロ徒然日記です。
今回のタイトルですが、これは初めてお客様の現場に行くDecoへ、当時のマスフローの師匠から投げかけられた言葉です。
「半導体関係の工場へ入る時は、床に透明な液体が漏れていても、ただの水だとは思うなよ!」という言葉でした。


よくわからないままに頷いたDecoに「意味が分かるか?透明な毒薬・劇薬は通常の暮らしではお目にかかることは無いが、そんなものを使ってモノづくりをしているのが半導体産業なんだよ。だから、その製造現場では、どこに危険な液体があるかわからないってことだよ。ガスも同じだが、ホスフィンが漏れていたら、もうそこでサヨウナラだから、諦めろ。」となんとも物騒な追い打ちを頂いたのでした。


その言葉が身に染みたDecoはそれ以来、現場監督を務める際もこの話を必ずして、神経質なくらいに対応するようになりました。
この世の中で一番大事なのは人の命です。
メンテナーの方からフッ酸にカルシウムを食い尽くされて、手のひらに穴が開いてしまった話を聞いたりしていましたから、Decoにとっては、それはもう恐ろしき半導体の世界だったのです。
今も仲良くしてもらってるある会社の社長さんが、お客様の作業場で少量の水が漏れていると思って作業服の裾で拭き取ろうとしたときも、周りがびっくりするような声で注意しました。(今でも"鬼の形相だった"と笑い話になってます。)

そういった危険な物質と遭遇する可能性が高いのが、マスフローで商売をするという事なのです。
ですから、皆さん マスフローを修理などで返却する時は、必ず念入りなパージを行って下さい。
不注意で、修理品を分解した作業員の健康に障害が生じないよう、大事な命が奪われないように・・・
何回も紹介していますが、ブロンコスト・ジャパン(株)では、除染告知書と言うフォーマットへの記入と、梱包への貼り付けを依頼しています。

ブロンコスト・ジャパン(株)除染告知書フォーマット

このような書式を活用いただき、記載いただくのはすごく大事で、ありがたい事なのです。
なぜならお客様だけが、マスフローに流入した可能性がある透明な液体が、ただの水なのか?純水なのか?それとも毒性材料なのか?を御存知なのです。
受け取るマスフローメーカーの人間は、そこまではわかりません。
それでも開封するのは、貴方の会社とマスフローメーカーとの間に信頼関係があるからなのです。
この書式を埋めるには、そのマスフローがそれらに晒されたあろうあらゆるイレギュラーが派生する可能性を理解していないと精度の高い告知書は書けません。
知らなかったでは済まされません。
これに関しては、普段温厚なDecoも鬼の形相でお聞きしますので、宜しくお願いしますね。

下手をしたら、作業員だけでなく従業員全体が重篤な状態となり生死の境をさ迷ったり、後遺症に苦しむことになりかねません。
それを救うのは貴方なのです。
是非とも宜しくお願いいたします。

マスフロー徒然日記 by Deco EZ-Japan